ラットの一側海馬CA_<3-4>に選択的に神経細胞死をおこすモデルを提唱したが、当該年度はその基礎となる脳血流、糖代謝を研究した。 当初計画した通り、IAP及び2-DGを用いて行った。 経時的な変化をみており、外頸動脈よりのカテーテルを抜去してから、0、30、60、120分後にそれぞれIAP及び2-DGにつき検討した。 0及び30分後では、一側半球全体にわたる脳血流の低下及び糖代謝の低下があったが、120分後では一側海馬に脳血流、糖代謝低下が限局してしまう。基底核、皮質は、処置なしコントロールと差がなくなってしまった。これが、神経細胞死の原因と考えられるが、逆に、血流、糖代謝の上昇がみられる時期が存在する可能性があり、240分、6時間後について現在行っている。なお、ストレス蛋白については処置後1日後で検討しているが、ABC法でHSP72はみれれていない。引き続き、これも2日後の検体で研究を行っている。なお、上記一部は、昨年のNeuroscience Meeting (San Diego)にて報告した。
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