シングルチャネルパッチクランプ法により人培養骨芽類似細胞(HuO9)の陽イオンチャネルについて研究を行った。HuO9は高いオステオカルシン産生能を持つヒト骨芽類似細胞として最近株化された細胞系である。この細胞をプラスチックシャーレで系代培養し、シーディングより2日から14日の細胞がコンフルエントとなった状態で実験に使用した。この細胞膜に多数存在するセルアタッチの状態で122pSの大きさのいわゆるMaxi-K channelのイオン透過性と細胞内カルシウム濃度感受性と膜電位感受性について調べた、このチャネルはPK/PNa>12の特性を持つカリウムチャネルであり、少なくとも100nMレベルの細胞内カルシウム濃度により活性化され濃度の上昇とともにさらに強く活性化された、膜電位の脱分極によっても活性化され過分極により非活性かされた。 さらにパッチ電極に加えられた陰圧(ストレッチ)により活性の上昇が認められた。 この細胞に存在するバリウム透過性陽イオンチャネル(非選択性陽イオンチャネル)の動態について研究を行ない、イオン透過性、膜電位感受性等について1999年度日本生理学会にて発表を予定している。
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