研究概要 |
1)Mullerian inhibitor(Ml)の遺伝子発現をRT-PCR(Reverse tanscription-Polymerase Chain Reaction)により試みた.対象は産婦人科領域で容易に採取可能で、Mlを発現していると報告されている顆粒膜細胞(granulosa cell)を用いた.開腹手術時に患者の同意を得て卵胞液を穿刺、吸引し卵胞液中に含まれるgranulosa cellを遠沈により得た.このgranulosa cellををそのまま、あるいはmonolayer cultureにより初代培養した細胞から、total RNAを抽出した. Primerはexon3,4,exon1,3,exon2,3に設定した3種類を作成しRT-PCRをおこなった.さまざまなに条件設定でRT-PCRを行なった.結局exon3,4に設定したPrimerが最も安定して目的とするバンドが得られることが判明したので゙、以下の実験を行った. 2)monolayer cultureにより初代培養したgranulosa cellに、種々の刺激物質(estrogen(10^<-6>-10^<-8> M),progesterone(10^<-6>-10^<-8> M),8-bromo-cAMP(1microM),IL-1(10^<-6> M),IL-2(10^<-6> M)を添加して12時間培養後total RNAを抽出し,Mlの遺伝子発現を定量的RT-PCRにより測定した。内部コントロールとしてbeta-actinを用いた.今回の実験系では,これらの物質はMl遺伝子発現に影響を与えなかった.今後,他の物質を添加した実験を行いMl遺伝子発現の調節因子を同定する必要がある.
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