1)カルシウムイオノフォアを負荷し、fluo-3の蛍光により[Ca^<2+>]iを測定すると、外液の2価イオンが流入するのが観察された。このことから耳石前駆体の表面は全体膜であることがわかった。 2)高K^+溶液、カフェイン、イノントール3リン酸のいずれによっても[Ca^<2+>]iは変化せず、電位依存性カルシウムチャンネル、リアノジン受容体、IP_3受容体のいずれも存在しないと考えられた。 3)アセタゾラシド投与によって[pH]iの変化が認められず炭酸脱水素酵素は存在しないと考えられた。 4)ATP投与により[Ca^<2+>]iが上昇した。この反応は10〜100μM ATPで用量依存性に起こり、P_2アンタゴニストで抑制され、P_2yアゴニストで惹起されることからP_2y受容体を介していると推定された。現在、この反応に関与するカルシウムチャンネルをパッチクランプ法により解析中であるが、まだ明らかになっていない。
|