我々はサル眼においてレーザー線維椌帯光凝固によって緑内障モデル眼を作成することに成功した。ついで作成したモデル眼から神経網膜と視神経を切除してmRNAを抽出した。 mRNAは逆転写酵素によりDNAへと変換して、ポリエラーゼ連鎖反応(PCR)によるDNA増幅を行って、実験的緑内障眼の網膜、視神経でグムア由来のGFAPと呼ばれる分子の遺伝子発現が増加していることがわかった。さらに抗GFAP抗体でも、緑内障眼における染色性の増加が確認された。一方で、これらの遺伝子発現を制御する目的でセンダイウイルスとリポリームを用いた生体への遺伝子導入実験を開始した。 その結果、目的のタンパク質を視経節細胞へ発現させることに成功した。 上記の一連の本研究における成果は1996年度の国際眼研究会議(ARVO)にて発表される予定である。
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