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1995 年度 実績報告書

ヒト歯周病原性Eubacteriumの新菌種の遺伝学的同定と免疫学的性状の解析

研究課題

研究課題/領域番号 07807166
研究種目

一般研究(C)

研究機関新潟大学

研究代表者

中澤 太  新潟大学, 歯学部, 講師 (60115053)

研究分担者 吉江 弘正  新潟大学, 歯学部, 助教授 (20143787)
星野 悦郎  新潟大学, 歯学部, 教授 (90124619)
キーワードEubacterium / 糖非分解性 / 口腔 / 偏性嫌気性菌 / 分類学 / 新菌種
研究概要

本研究では、新しいタイプのEubacterium属細菌種について、既に確立している菌種との遺伝学的な相違を明らかにすることによって、New Eubacterium speciesを提唱することを主たる目的としている。これまで我々は、ヒト口腔由来の糖非分解性で未同定Eubacterium属細菌を幾つか分離・保存していたが、平成7年度の本研究では、歯周病の病巣部位から分離したEubacterium M-group(strain M-6,M-7and M-8)に焦点を絞り、その性状を検討した。従来、口腔由来の糖非分解性Eubacterium属細菌種として、Eubacterium brachy,E.lentum,E.nodatum,E.saphenum,E.timidumが報告されていることから、これらの菌種とE.M-groupの性状を比較することによって、その相同性を解析した。形態学的性状、一般生化学性状、APIZYMによる酵素活性、SDS-PAGEによる構成蛋白質Western-blottingによる血清学的性状のいずれにおいても、E.M-groupは、既存の糖非分解性Eubacterium属細菌種とは異なっていた。近年の細菌分類学において、new speciesの提案のためには、前記の性状の他にDNA-DNAホモロジーや16srRNAシークエンス等の解析は不可欠とされることからE.M-groupの遺伝学的性状についても明らかにした。その結果、E.M-groupのG+C contentは38-40%であった。また、DNA-DNA hybridizationの結果、M-group相互のホモロジーは約100%であるのに対して、他の糖非分解性Eubacterium属細菌種には、10%以下の著しく低い値を示した。以上の結果から、E.M-groupの菌株は、従来の細菌種とは全く異なる新しい菌種であることが明確となったため、Eubacteriumminutumと命名し、I.J.S.Bに報告した。
次年度は、現在未同定となって他の菌株についても、その遺伝学的性状を解析することによって、細菌分類学的位置を明らかにするために本研究を継続する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 中澤太: "最近の細菌分類について" 新潟歯学会誌. 25. 61-62 (1995)

  • [文献書誌] Poso,S.: "Eubacterium minutum sp.nov.isolated from human periodontal pockets." International Journal of Systematic Bacteriology. 46. 31-34 (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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