まず第一には、ISDN回線(64Kbit)のリモートログインによる医用画像転送のプロトコールとしてAppletalk、TCP/IPでの2つのルーティングを計画し、NTTのISDN回線関係の配線以外は、ルーティングの設定は、すべて自分で行いネットワークの確立を目指して、実行に移した。Appletalkでは、一方のル-タを岡山に設置し、他方のル-タを東京都足立区の川原での平成8年9月1日の防災訓練において利用してもらい画像転送を試みた。TCP/IPの実験例としては、通法どうりDICMO formatによるデモで、平成8年9月中旬の第37回日本歯科放射線学会総会の展示会場(札幌駅前)からのISDM回線を約60Km離れた場所(美唄)の専修大学北海道短期大学に飛ばし、CT、デジタル、パノラマや骨盤像を所見入りで、九大と東京医科歯科大学との間で行った。このデモ実験で仮設に引いたISDM回線(バルク128Kbit)で充分実用化になるし、第二のワークステーションとエックス線装置のLANとの接続もこの様にリモートアクセスの混在する環境で充分機能を果たすことが示せた。また、今回示したデジタル画像に簡単な所見も加えることができるため、院内に形成されたミニPACSとの完成と考えられる。 また、動作環境としてUNIXワークステーション上のSolaris Ver.2.5.1上のOSで、完全な画像通信や画像表示として動作が確認された。この結果、フィルムレスが完成し、患者情報が所見付きで観察できるし、遠距離検索の可能性を示し、省力化と利用者の便利が向上したものとなった。 第三に医科のデジタルメディアに対抗して、歯科応用したい2"のMDデータは、昨年12月の始めやっとwindows95のドライバーソフトが特定者に公開された。また、ノートブックに使われるPCカードのSCSIドライバーがやっと公開された。MDデータの使用に関しては、windowsやMAC版はどちらも問題無く使用できたが、一枚のメディアで両方読めるハイブリッドフォマットを要望したが、現在までは、両方読めるメディアは手に入らないことがわかった。このため、診療室でのWINDOWSかMACユーザーかそれとも混在した利用形態にするのかの方法論の問題が生じた。この様に臨床サイドの要求のもとにTeleradiology、ミニPACSのための技術の確立をめざしたものである。
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