研究概要 |
本年度は、ウサギをisoflurane、sevofluraneおよびketamine/xylazine全身麻酔下で開胸し30分の虚血(冠動脈結紮)後180分の再灌流を行った群と5分の虚血、10分の再灌流(preconditioning)後、虚血再灌流を行った群(preconditioning群)で平均動脈圧、心拍数、rate pressure productなどの循環動態、不整脈の種類、数およびarea at risk、infarct sizeを比較検討し、以下の実績を得るに至った。isoflurane, sevoflurane麻酔下におけるinfarct sizeは29.9%, 30.2%でketamine/xylazine全身麻酔下におけるinfarct size(43.7%)より有意に小さくisoflurane, sevofluraneなどの吸入全身麻酔薬それ自体による心筋保護効果が観察された。 また、preconditioningによる心筋保護効果はすべての麻酔薬下で認められた。さらにsevoflurane麻酔下のpreconditioningに関しては、Katpチャネルのblockerであるglibenclamideの前処置で心筋保護作用が抑制されたことから、そのメカニズムにKatpチャネルの活性化が関与している可能性が示唆された。
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