研究概要 |
ウサギ(New Zealand White)にKetamine/Xylazineを筋注後、経気管的に挿管した。麻酔器に接続後ventilatorを用いroom airで換気した。麻酔維持はKetamine/Xylazine(control群),Sevoflurane 2.1%(S群)、lsoflurane 1.2%(I群)、Halothane 1.0%(H群)とした。術中は、観血的動脈圧、心電図及び直腸温を連続的に測定した。開胸後、冠動脈を結紮し30分虚血とした。その後、3時間の再灌流を行った。また,preconditioningを行ったsevoflurane群では5分の虚血と10分の再灌流を先行させた。虚血再灌流後、冠動脈を再結紮し、area at riskの評価を行うため頚静脈よりevans blueを投与した。直ちに心臓を摘出しスライス切片を作成、triphanyl tetrazolium chloride(TTC)溶液に浸漬し、非赤染部分をcomputer morphometryを用いinfarct sizeとした。 【結果と結論】lnfarct size/risk areaはcontrol群(43.8【.+-。】5.6)に対し、Halothane群(31.4【.+-。】3.8)、lsoflurane群(36.8【.+-。】4.6)、Sevoflurane群(33.7【.+-。】4.1)で基発性吸入麻酔薬で心筋保護効果が観察された。(mean【.+-。】SEP>0.05)また、Risk area/Left ventricularはControl群(51.4【.+-。】5.9)に対し、Halothane群(48.2【.+-。】7.2)、lsoflurane群(48.7【.+-。】4.3)、Sevoflurane群(56.8【.+-。】9.3)で各群において有意な差は認められなかった。(mean【.+-。】SEP>0.05)sevoflurane麻酔下でもpreconditioningによる心筋壊死縮小効果が認められた。 以上から、controlに比較して揮発性吸入全身麻酔薬には心筋保護効果がある可能性が示唆された。まら,Sevoflurane麻酔下においてもpreconditioningによる心筋壊死縮小効果が認められ,そのメカニズムにATP-sensitive potassium channelが関与することが示唆された。
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