研究概要 |
本年度は,ヒト歯肉微小血管内皮細胞由来の弛緩因子(NO)を定量することを目的とした。そこでまず,ジアゾカップリング法(Griess法)で弛緩因子を直接定量することを試みた。Griess法は,培養上清中にGreiss試薬を加えることによりnitriteをアゾ化合物に変化させた後に,540nmの吸光度を測定してNOを定量する方法である。しかし,歯肉血管内皮細胞由来の弛緩因子が微量であるために,この方法でNOの検出は不可能であった。従って,より感度の高い方法で測定する必要性が示唆された。現在,蛍光法による検出方法を検討中である。 一方,組織の炎症に対する防御反応として,血管内皮細胞は,筋弛緩因子の他にも,プロスタグランディン,プロスタサイクリン等を産生し血管の透過性を亢進するといわれている。申請者らは,歯肉の血管内皮細胞由来のプロスタグランィン,プロスタサイクリンを定量する事に成功しており,歯肉微小血管内皮細胞の生理を徐々に解明している。
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