研究課題/領域番号 |
07807205
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
福井 成行 京都産業大学, 工学部, 助教授 (30218888)
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研究分担者 |
FUKUI Shigeyuki Dept.Biotechnology, Fac.Engineering, Kyoto Sangyo University (30218888)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | PC12細胞 / 神経突起形成 / ポリラクトサミン / 神経成長因子 / 糖タンパク質 / 糖鎖 |
研究概要 |
副腎髄質由来のクロム親和性細胞(PC12)と、その変異細胞で神経成長因子(NGF)に対して感受性が高く神経突起形成の初期過程をすでに獲得したの状態にある(primed)と考えられている細胞(PC12D)の糖蛋白質の糖鎖を比較することにより、神経細胞の細胞膜上に存在する糖蛋白質の糖鎖で細胞分化の過程で変動するポリラクトサミン鎖を示し、その糖鎖の変動の原因を明らかにすることができた。すなわち、(1)細胞の産生する糖蛋白質糖鎖を[^3H]-GlcNH_2で代謝標識して測定したところ、PC12細胞では主要糖鎖はN-グリコシド型糖鎖でポリラクトサミンを有し、神経突起の形成と共に合成量が減少した。また、primed cellの状態とされるPC12D細胞ではポリラクトサミン鎖が著しく少なく、それは神経突起の形成の前後で変動しなかった。(2)細胞膜上に発現されるポリラクトサミン糖鎖の化学量の違いを明らかにするために、FITC-トマトレクチンを用いてendo-β-gal-actosidase処理の前後で細胞を染色したところ、PC12細胞は強く染色されendo-β-gal-actosidase処理によるポリラクトサミンの除去で著しく減弱した。一方、PC12D細胞は染色の程度が弱く酵素処理による変化も認められなかった。従って[^3H]-GlcNH_2で代謝標識の結果は糖鎖の量的な違いを反映したものであることが明らかとなった。(3)ポリラクトサミン鎖の合成にかかわる糖転移酵素活性を測定したところ、PC12D細胞でポリラクトサミン鎖の伸長酵素(i)の活性がPC12細胞のそれの1/3と低く、PC12細胞では神経突起の形成に伴って酵素(i)の活性が減少した。kineticsの結果、その原因はPC12細胞では酵素(i)の発現量の減少であり、PC12D細胞では基質UDP-GlcNAcに対する親和性の低下を伴った酵素分子の変異であることが推定された。
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