研究課題/領域番号 |
07808007
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 羽衣学園短期大学 |
研究代表者 |
田村 良行 羽衣学園短期大学, 家政学科・食物専攻, 教授 (40105036)
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研究分担者 |
竹中 重雄 羽衣学園短期大学, 家政学科・食物専攻, 講師 (10280067)
中山 玲子 羽衣学園短期大学, 家政学科・食物専攻, 助教授 (00189086)
山中 博之 羽衣学園短期大学, 家政学科・食物専攻, 教授 (00085656)
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キーワード | スサビノリ / ビタミンB_<12> / ビタミンC / カルノシン / アンセリン / 抗酸化性 / ビタミンB_<12>欠乏ラット / メチルマロン酸尿症 |
研究概要 |
栄養強化食品およびビタミン剤等において、貯蔵中にその重要成分であるビタミンB_<12>(コバラミン:Cbl)が、共存するビタミンCと微量の金属から生じる活性酸素により分解を受けて種々の分解物が生じることが知られている。そこで、動物の骨格筋や脳のほかに食品としてのスサビノリに含まれている抗酸化質のカルノシンとアンセリンによるビタミンB_<12>分解防御効果を調べた。市販のビタミンB_<12>(CN-Cbl)溶液にアスコルビン酸と鉄(Fe^<2+>)または銅(Cu^<2+>)を添加し、25℃で数日間または37℃で数時間貯蔵した後、薄層クロマトグラフィーにかけて展開させデンシトメーターによりCN-Cbl含量の定量と、Euglena gracilisによる生物検定を行った。その結果、カルノシン、アンセリンともに濃度依存的な分解防御効果を示し、とくに、Fe^<2+>,Cu^<2+>の存在下においてカルノシンがアンセリンよりも強い防御効果を示した。 また、ビタミンB_<12>が欠乏すると、メチルマロン酸(MMA)尿症や種々の精神疾患、悪性貧血が引き起こされる。これまでビタミンB_<12>は動物性食品のみに含まれているとされていたが、海藻類にも含まれることに注目し、ビタミンB_<12>を比較的多く含むスサビノリがビタミンB_<12>の供給源として機能するかどうかについて検討した。脱脂大豆を主成分とするビタミンB_<12>無添加食を与えてビタミンB_<12>欠乏ラットを作成した後、スサビノリ凍結乾燥粉末を添加した飼料を摂取させて尿中MMA排泄量の測定を行った。また試験期間終了後、血清および肝臓中のビタミンB_<12>含量をLactobacillus leichmanniiによる生物学的定量を行った。試験開始後10日目にスサビノリ添加飼料摂取群ではMMA排泄量の減少がみられ、20日目には対照のビタミンB_<12>欠乏群ではMMA排泄量が増加する傾向にあったが、スサビノリ摂取群ではその排泄がほとんどみられなかった。一方、血清および肝臓中のビタミンB_<12>含量には有為な差が認められた。これらの結果よりスサビノリはビタミンB_<12>供給源として機能しうることが明らかになった。
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