キャリア・パターンに関しては、我が国でトップレベルにある高校サッカー選手約300名と、今年度夏季に行われたユニバ-シア-ド福岡大会に参加した選手約500名を対象に調査を行った。それらの調査で、これまでに得られた知見の概要は次のようになる。まず前者については、多くの選手が類似のキャリア・パターンを示している。小学校側にスポーツ少年団で本格的にサッカーを始め、中学、高校は学校のサッカー部でプレーに励んでいる。また、小学校の頃から一流選手になりたいと思い、親や指導者からサッカーに励むことを奨励され、特に気持ちの面ではサッカー中心の生活を送った。そして、中学、高校へと進むにつれ、そうしたサッカー中心の度合いは増すようになった。また後者については、数カ国の選手を対象とした国際的な調査であったこともあり、質問紙の回答を読解すること自体困難を極めた。しかしながら、漸く統計処理が終了する段階に入っている。なお、元一流選手を対象としたリタイアメントに関する調査は現在進行中である。これについては、次年度の計画にある事例調査と連関的に進めていく予定である。当初の研究代表者である多々納の他界にもより、研究が遅れ気味であることは否めないが、研究目的を達成するために着々と研究は進められている。
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