研究概要 |
1.近世絵図(出羽国絵図)の資料吟味 画像処理を行う絵図資料として,まず出羽国絵図の所在確認と資料吟味を行った。すでに43点の出羽国絵図の調査を行っていたが,本年度の所在調査によってさらに倍増し,出羽国絵図85点を確認することができた。これらのうち75点については資料吟味を行い,従来の方法によって作成年代の推定を行った。 2.出羽国絵図の写真撮影 本年度は研究上欠くことのできない秋田県公文書館所蔵の国絵図3点を撮影することができた。いずれも6×7mほどの大型絵図のため,分割撮影し合成する方法をとらなければならず,30万円の経費を必要とした。当初は10点撮影を行う予定であったが,撮影法の変更などにより,3点でも当初予算の2倍の経費を必要としたためである。 3.出羽国絵図の画像処理 撮影した3点の国絵図に加え,すでに撮影していた国絵図5点を含めて,画像処理を行っている。現有の機器では不十分な点があり,検討中であるが,正保期と元禄期の国絵図における図形の相違箇所は明瞭に確認することができた。今後,図形の変形などにより歪みの分析を行い,歪みの箇所を特定して,その理由を文書資料などによって考察していく予定である。
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