(目的) 既存の千葉県・埼玉県等の道標データに新発見の千葉県内のデータを加えるほか、埼玉、茨城栃木、群馬の各県のデータベース化を行うことを目標とした。 (作業内容) 1。資料収集:埼玉、茨城、栃木、群馬、神奈川各県の道標所在調査データの収集を図書館等で行った。 2。現地調査:特に千葉県内の道標につき、一部地域について道標の旧位置確認や銘文の不明瞭個所の再検討作業を行った。 3。データベース入力:神奈川、東京を除く関東各都県のデータ入力を行う。 (データ処理) 1。千葉県南部、および千葉県北西部と隣接3県にまたがる都市交通圈図を作成した。 2。千葉県西部の道路網図(近世中期、後期)を作成した。 (結果) 1。千葉県内の、従来データ不足で明確でなかった都市の都市交通圈が明確になった。その結果、各都市の交通圈が径15〜20キロの範囲で併存していることがより確かめられた。 2。近世後期にかけて、江戸を中心とする日帰り、1泊の参詣旅行ルートに対応した網の目状の交通路が千葉県西部などに発展したことが分かった。それより遠方の、関東北部の道路交通網は、主な街道沿いの通過交通を主とし主要霊場をめぐる単線状の交通路であるらしい。また。霊場参詣以外に湯治療養を目的とする旅行が盛んであったことが分かった。
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