本年度の研究経過と成果は、次の通りである。 1 インターネット・システムの整備と大学におけるE-mail活用状況調査 Power Macintosch 8100/100AVをベースにしたインターネットシステムを導入し、わが国ににおける大学におけるE-mailの活用状況についての実態調査を行ってきた。実態調査の結果、わが国の大学におけるE-mailの普及は本年度秋から急速に進んだこと、また、大学教官相互の教育や研究に関する情報交換の手段として活用されており、教師と学生の教育活動における情報交換手段としての活用に至っていないことが判明した。 2 学生からのフィードバック情報を取り入れた授業改善の実践 大学教育における授業における教官と学生との情報交換を増大することによりどのような心理的変化が生ずるかが授業実践を等して研究された。具体的には、研究代表者(織田)が提案してきた「大福帳の導入が授業担当者と受講生に及ぼす心理的効果」について授業「教育心理学(講師:織田揮準)」の授業実践を通して分析された。 3 学生による大学教育の点検・評価の実施 今日の大学教育における改善点の重要なポイントの1つは、日常の授業における教官と学生との情報交換の密度を高めるなど、教育方法の改善・改革が必要である。そこで、学生の大学教育に対する満足・不満調査がについて分析がされ、学部学生・大学院生ともに大学の教育・学習環境改善への要望の強いこと、とくに教官と学生のコミュニケーション不足に関する不満と改善への要望の強いことが判明した。教官と学生とのコミュニケーション手段としてE-mailの活用を疎外する心理的要因に関する研究を次年度は積極的に行う必要がある。
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