筑波技術短期大学機械工学科では聴覚に障害を持つ学生を指導している。卒業生の60%近くがCADに関わる設計製図関係の職場へ配属になっている現在、聴覚障害者の高等教育の実情に合った高度な専門教育の必要性を考え、マルチメディアとネットワークの支援による設計製図教育システムの実現を図ろうと実践的研究を行ってきた。聴覚障害者への高等教育の現場における実践的な研究の遂行により得られた研究成果は、 ◎本学の学内LANやインターネットを利用して、CADデータをはじめ、コンピュータデータの送受信やWWWのホームページによるビジュアルデータを用いた教材・資料データの展開・提示ができた。 ◎本学の学生に適したインターネットを介してのテレコミュニケーションのシステムにより、遠隔からの指導や相互のコミュニケーションの実現が図れた。 ◎設計製図教育の関係する科目間においてそれぞれの関連をもたせ、設計から加工まで一連の流れの中で、モデリングによる視覚的体感的な教材を用い、マルチメディアによる分かりやすい授業展開を考究し、本学に適した教育システムとして確立し実際に教育効果を高めることができた。 関係する教材・資料の展開をWWWを用いて効果的に行い、同様な学習をしている学外の学生へも提示ができ、教材・資料の共有が大学(学校)間で容易に図れるようになった。 ◎インターネットを介して学外の教育機関との連携がとれるようになり、コラボレーションによる教育が図れ、聴覚障害を持つ学生の社会参加を促しながらの幅広い視野を持つ教育が可能となった。 ◎本研究の取り組みを関係する学会や国際会議で講演発表することができ、聴覚障害者の高等教育への関心を高め、研究に対する評価と理解が得られた。15EA08:◎インターネットを介して視覚的な細かな内容の情報伝達が容易となり、実践的に本研究を進めることができ、さらに今後の発展が期待される。
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