(研究1)認知活動に伴う脳波脈波等からの抽出因子の仮説検証実験 平成7年度の脳波マッピング(頭皮上面図)分析から指摘することできた脳波β1波帯域の前頭葉活性型や後頭葉活性型の、問題解決的思考における出現の特徴をさらに検討することから、前頭葉活性型及び後頭葉活性型の出現の特徴には、問題解決過程における被験者個々のその問題解決における認知活動のこだわり(心的構え)を以下のように反映していると考えられた。 (1)その問題解決場面を映像で構成したとき、映像視聴全体では後頭葉活性型出現頻度が前頭葉活性型の出現頻度よりも、有意に高くなること。 (2)その中で、前頭葉活性型の出現の特徴は、問題解決における高度な情報収集・統合・判断・推理の場面に対応するとともに、被験者固有のその問題解決に対する心的構えとも対応して、被験者固有の出現パターンをとること。 (3)また、後頭葉活性型の出現の特徴は、対象からの情報の収集の特徴に対応するとともに、被験者固有のその問題解決に対する心的構えとも対応して、被験者固有の出現パターンをとること。 (研究2)学習者の認知活動に対する心的構えの自己評価方法の開発 平成7年度に検討した質問紙法の成果を踏まえ、本年度では、従来の評価方法では評価困難な新しい学力の特に、目的・目標設定能力と自己評価・自己改善能力の評価方法の開発・検討を行った。今回は小学校6年生を対象に、学期ごとに数回継続して用いることにより、その有効性を指摘することができた。 なお、これら研究1及び2の成果については、既に平成8年度の日本科学教育学会、日本理科教育学会、日本教科教育学会で口頭発表済みであり、それぞれの学会紀要に投稿準備中である。
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