研究概要 |
平成7年度の当初の計画では、4月にテスティングに関する専門家にアドバイスを得て、5月に初期英語力判定テストを実施する予定であった。しかし、それ以前に解決しなくてはならない問題が浮上したので、今年度はその問題を解決することを最優先として研究を進めてきた。 この問題というのは、安定した共同授業によるE.S.P.教授法の確立というものである。当初本教授用のテキストとして採用していたテキスト(アメリカの中学生用理科のテキスト)が、Language-basedではないので、あくまで語学力の向上を目指す授業にはなじまないというものであった。 我々は、この問題を解決するために、テキストの内容に関連がありながら、つまり、科学工業的な内容を保持しながらも、語学力向上を目指すための教材を作成し、それを蓄積してきた。また、この問題に関して、専門家のアドバイスを仰いだところ、日々の教授法の確立が実現される以前に、テスティングを実施するのは尚早であるとの回答を得たので、第1回目のテスティングは、平成8年度の5月に実施することに決定された。 今年度、新規に購入した書籍を研究し、学会で発表し意見を拝聴した結果、次の3点が新しい知見として得られた。 (1)学習者のNeeds,Motivation,Purposesに関係なくE.S.P.を実践することは極めて難しい。 (2)共同授業にはこれまで言われていた以上に利点があるし、多人数のクラスには共同授業は不可欠である。 (3)学習者の語学力を向上させるためには、状況把握能力を養成することが必要である。 特に上記(1)に関して、我々は以下のように今後の方針を決定した。 今後の方針:これまではただ単にE.S.P.(特定目的の英語)教授を進めようとしてきたが、今後はそれをさらに一歩進めて、学習者(工業高等専門学校の2・3年生)のNeeds,Motivation,Purposesを勘案した上で、English with Technical Flavor(もしくは、English through Technical Situations)を提唱し、その教授を推進しながら、その学習効果をEnglish without Technical Flavor(もしくは、English through General Situations)で学習している学習者との比較により調査、研究していく。
|