社会問題のシミュレーション:社会情報学の構築に向けて

1995 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 07808036
• 研究種目: 一般研究(C)
• 研究機関: 椙山女学園大学
• 研究代表者: 田中 美栄子 椙山女学園大学, 生活科学部, 助教授 (20257570)
• 研究分担者: 長谷部 勝也 愛知大学, 教養部, 教授 (90228461)
• キーワード: 社会モデル / 社会情報学 / シミュレーション / 景気循環 / 意見集約 / セルオートマトン / 人間乱数

研究概要

社会問題をその数理的構造をとらえたモデルで表現すること、それにより新しい情報科学の一分野としての社会情報学を開拓する一助とすること、を目標として、これまでの研究成果の発表とその改良、および新しい研究テーマの開発をあわせて行った。平成7年3月31日に神奈川大学での日本物理学会第50回年会で「景気循環の動力学」と題して前年度の「複雑系研究会(第3回)」で発表した経済モデルの少し進んだ解析結果を発表講演したところ、大きな反響があり、日本大学理工学部で6月1日にセミナー発表する成行きとなり、更にオーストラリアのアデレ-ド市で5月23-25日に開かれた国際学会ETD2000に招待された。また総合研究大学院大学(葉山)で7月13-15日に行われた「非線形現象の数理科学研究会第3回ワークショップ」でも発表を行った。12月13-15日に京都大学基礎物理学研究所で行われた「複雑系研究会(第4回)」でポスター発表を行った。「意見集約のイジング形モデルによるシミュレーション」は3月のFUZZ-IEEE/IFESでの発表講演に続き、9月21日岡山理科大学での日本応用数理学会年会で講演し、セルオートマトンの立場からの考察に重点を置いた論文をEvolutional Roboticsに投稿、受理された。また12月13-15日の「複雑系研究会(第4回)でポスター発表し、続きは3月31日(金沢)の日本物理学会第51回年会及び5月20-22日(名古屋)で開催の国際会議ICEC'96でポスター発表を受理された。新しいテーマとして「人間乱数」を統系数理研究所助手の伊庭幸人氏と開拓中で、「複雑系研究会(第4回)で発表。

研究成果

• [文献書誌] Mieko Tanaka-Yamawaki, Katsuya Hasebe, and L. Jain: "A Dynamical Model of the Trade Cycle and its Computer Simulation" Edited Proceedings of ETD2000. 571-577 (1995)
• [文献書誌] Mieko Tanaka-Yamawaki and Sachiko Kitamikado: "Classification of the Totalistic Rules and the Semitotalistic Rules of Cellular Automata" Proceedings of International Confevence of Evolutional Computation. (1996)
• [文献書誌] Mieko Tanaka-Yamawaki, Sachiko Kitamikado and T. Fukuda: "Consensus Formation and the Cellular Automata" Evolutional Robotics; Special Issue of the Journal of Robotics and Autonomaus Systems. (1996)
• [文献書誌] 田中美栄子、北御門佐知子: "格子型意見集約モデルにおける個性の混合" 日本応用数理学会・平成7年度年会講演予稿集. 276-277 (1995)
• [文献書誌] 田中美栄子、北御門佐知子: "意見集約モデルと総和型セルオートマトン" 物性研究. (1996)
• [文献書誌] 伊庭幸人、田中美栄子、平岡千佳、可児美佳子: "人間乱数" 物性研究. (1996)
• [文献書誌] 田中美栄子(第2章のみ): "情報科学概論(太田正光・大芝猛編)第2章情報数学の基礎" 講談社, (1996)