研究概要 |
微粒子プラズマと電場との相互作用,および,微粒子プラズマの基礎パラメーターである密度測定法の開発研究を行い、今年度は以下に述べる研究成果が得られた。前年度迄に行った気体プラズマと微粒子プラズマとの相互作用についての実験結果などは論文として報告した。 1.平行平板電極の一様電場中を微粒子プラズマのビームを通過させ、微粒子は正および負の電荷をもった粒子が混在し、電荷の正負に応じて2本のビームに綺麗に分かれることを実験によって確認した。さらに、この実験によって、微粒子の粒径・速度・荷電量の関係を導き出すことができた。 2.直径1cmの小球を15μmの細線で吊し、微粒子プラズマの吹き出し口との間に正または負の高電圧を印加し、微粒子プラズマ中で細線の周りに強い不平等電場を作る。このような状況では微粒子プラズマ強結合プラズマの状態となり、細線を中心としてツリー状の微粒子の結晶が成長してゆくことが確認された。この結果は理論的にクローン結晶が作られると予測される数値パラメーターと良い一致が見られた。 前年度に行ったレーザー光の透過光量の減衰による微粒子プラズマの平均密度測定に続いて、レーザー光の錯乱光強度の空間分布を測定し、微粒子プラズマ密度の空間分布を効率よく高感度で測定する方法の開発を行った。この測定法を適用することによって、微粒子プラズマと電磁場との相互作用や凝縮などの現象をより定量的に測定し、詳細な検討ができるようになった。 微粒子プラズマ中にパルスレーザー光を照射することによって急激な擾乱を起こし凝縮などの現象を調べる実験のための装置の製作し、測定の準備を行った。 磁場と微粒子プラズマとの相互作用を行うための実験装置の開発を行っている。この実験によって、土星などのリング形成についてのシュミレーションを行う計画である。
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