研究概要 |
ボ-ト法によって粒径が揃った微粒子を発生させることができ,ボ-トの温度と希ガスの流量を制御することによって希望する粒径の微粒子を発生させる技術を確立することができた。ボ-ト法によって発生させた微粒子に紫外線を照射することによって微粒子プラズマの生成に成功した。この微粒子プラズマを用いて以下のような実験研究を行った。 1.帯電球との相互作用 微粒子プラズマ中に直径1cm,および,4cmの球を細線で吊し,その球に直流電圧を印加し微粒子プラズマの挙動をVTRに収録し画像解析を行った。帯電した球の周りの微粒子プラズマはシース状に球を包むように取り囲み,球の電圧の正負を急激に反転させること,球の周辺の微粒子は外側に瞬間的に飛び去ったのち再び以前と同様の形態を取り戻すことが分かった。このことは,微粒子が正と負の電荷を持った粒子で構成されていることを示している。 2.気体プラズマと微粒子プラズマとの混在状態 グロー放電による気体プラズマ中へ微粒子プラズマを導入する実験を行った。プラズマ中に直径1cmの球を吊し,球に正の電圧を印加した時には,微粒子が球に吸い込まれる現象が確認された。このことは,気体プラズマ中に曝された微粒子は負の電荷を持つという理論と良い一致を示している。更に,グロー放電終了時に球を吊した細線の周りに微粒子が針状に集まる現象が認められた。これはクーロン結晶の形成に関係がある現象と推定される。 3.クーロン結晶の形成 細線に正,および,負の高電圧(500V)を印加し細線の周りに大きな電位勾配をもった強電場を形成し紫外線照射によって生成した微粒子プラズマを導入すると,ツリー状の結晶(クーロン結晶)が形成されることが確認された。 4.静電場による微粒子プラズマ流の偏向 微粒子プラズマの細いビームを100V/cmの静電場中を通過させると2本のビームに分裂することが確認された。この実験によって,微粒子は正負の電荷をもった微粒子が混在した状態であること,微粒子プラズマは±25eの電荷を持っていることが求められた。 5.微粒子プラズマの密度測定 レーザー光の透過光の減衰量から平均プラズマ密度と,レーザー光ビームの散乱光強度の分布からプラズマ密度の空間分布を,正確に求めることができるようになった。 6.静磁場による偏向 微粒子プラズマの細いビームを静磁場中を通過させ2本のビームに分裂することを利用し微粒子の電荷が得られた
|