1.今年は蒸発を加速する方法を研究した。それは水面に黒色物資を浮かべることにより、太陽光線が水面で反射されたり、海の深部にまで浸透することなく、海水面で100%吸収され、水分の蒸発が加速されるという仮定を立て、それを実証した。水面に発泡スチロールのペレットを浮かすことを考えていたが、実験中に強風で飛び散ってしまうことが分かった。 2.そこで(1)黒色スポンジゴム、(2)黒色寒冷紗、(3)黒色ビニールフィルム、(4)黒色綿布の破片を浮かせ、それらを浮かせていない真水と蒸発がどれだけ異なるかを27日間野外で実験した。その結果、蒸発は(1)1.17、(2)1.28、(3)1.11、(4)1.37倍に加速されることが認められた。1.37倍を示した黒色綿布は長時間使用すると沈殿し始める。またさらに長い年月には腐敗することもある。海の上であるために、船舶の航行の邪魔になないようにしなければならない。 3.これとは別に、水だけ入れたバットと水の上にカーボンブラックを浮かせたバットを暗室内でそれぞれ500ワットのランプで5時間照らし、二つのバットに入れた真水の蒸発の差を測定した。その結果カーボンブラックを浮かせたバットの方が1.28倍も速いことかが分かった。しかし黒色綿布は長時間立つと腐敗する恐れがある。問題はカーボンブラックは比重が1.8と水よりも重いので、長時間使用すると沈殿してしまうことである。
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