グルタミン酸脱炭酸酵素ノックアウトマウスを用いた神経発生機構の解明

1995 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 07808089
• 研究種目: 一般研究(C)
• 研究機関: 東北大学
• 研究代表者: 柳川 右千夫 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (90202366)
• 研究分担者: 田村 眞理 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (20124604)
• キーワード: GABA / グルタミン酸脱炭酸酵素 / ノックアウトマウス / 発現調節機構 / プロモーター / アルデヒド脱水素酵素

研究概要

1)マウスグルタミン酸脱炭酸酵素(mGAD-1,mGAD-2)cDNAをマウス脳よりRT-PCR法にてそれぞれ合成した。これらのcDNAをプローブとしてマウスゲノムDNAライブラリーをスクリーニングし、mGAD-1は全長約50kb、mGAD-2は40kb以上の遺伝子であることを明らかにした。また、エクソン1から5までのエクソン/イントロン接合部位の塩基配列を決定し、その領域内の制限酵素地図をそれぞれ作成した。mGAD-2遺伝子については相同組み換えに用いるターゲッティングコンストラクト(プラスミド)を作成した。今後、このプラスミドをマウスES細胞に導入することによりノックアウトマウスを作成し、神経回路網形成におけるGAD遺伝子あるいはGABA作働性線維の役割を明らかにする。
2)GAD遺伝子の発現調節機構を解明する目的にてmGAD-1及びmGAD-2プロモーター領域のクローニングを行った。mGAD-1プロモーター(約8kb)とLac Z遺伝子の融合遺伝子を作成し、マウス卵に導入することにより、6匹の独立したトランスジェニックマウスを得た。今後、これらのマウスのLac Z遺伝子の発現を神経組織をはじめとする種々の組織および各発生段階において検討することにより、プロモーター機能を明らかにする。
3)GABA合成酵素のマウス4-アミノブチルアルデヒド脱水酵素cDNAをマウス肝組織よりRT-PCR法およびRACE法を用いて単離し、塩基配列の決定を行った。

研究成果

• [文献書誌] Yasuda,T.et al.: "The structure of the human deoxyribonuclease I(DNAase I)gene:Identification of the nucleotide substitution generating genetic polymorphism of the human DNAase I." Annal.Human Genetics.59. 1-15 (1995)
• [文献書誌] Kato,S.et al.: "Molecular cloning and expression of mouse Mg^<2+>-dependent protein phosphataseβ-4(type 2Cβ-4)." Archives of Biochemistry and Biophysics.318. 387-393 (1995)
• [文献書誌] Yanagawa,Y.et al.: "The transcriptional regulation of human aldehyde dehydrogenase I gene:the structural and functional analvsis of the promofer." Journal of Biological Chemistry.270. 17521-17527 (1995)
• [文献書誌] Turner,G.et al.: "Molecular defect of a phosphoglycerate kinase variant associated with haemolvtic anaemia and neurological disorders in a large kindres." British Jounal of Haematology.91. 60-65 (1995)
• [文献書誌] Ohnishi,M.et al.: "Localization of the mouse protein serine/threonine phosphatase 2Cβ gene to chromosome 17E 4-5." Genomics.(in press).