研究課題/領域番号 |
07808098
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中村 孝夫 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (00142654)
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研究分担者 |
楠 正隆 愛知医科大学, 医学部, 講師 (80214956)
山内 芳子 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (50230313)
河原 剛一 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (20125397)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | 視床下部腹内側核 / 予測制御 / 筋糖代謝 / 筋交感神経 / 歩行運動 |
研究概要 |
神経系を介した末梢筋糖代謝の神経制御系の存在を確認し、その経路の解析を進めるために動物実験(ラット)を行った結果、(1)神経制御の存在が示唆され、(2)そのためには筋収縮を起源とする求心性信号が必要なこと、および(3)遠心性神経経路として筋交感神経の可能性が示唆された。 そこで麻酔下のラットを用いて、まず(a)脳定位固定装置へのラット頭部の固定法を確立した。次に中脳の歩行誘発野ならびに交感神経系を統合し糖代謝に影響を及ぼす視床下部腹内側核(VMH)へタングステン微小電極を刺入し、それらの位置の血圧変化を用いた精度の高い同定方法を確立した。さらに除脳の手術手技確立を目指して、脳切除部位、並びに切除後の視床下部腹内側核や中脳の歩行誘発野の位置を解剖学的ならびに経験的に検討した。 次に実験動物の筋交感神経の発射活動を直接的に記録するために、座骨神経にマイクロニューログラフィの適用を試み、数十例の動物実験による検討の結果、その位置の同定がほぼ終了し、かなり高い確率で信号を導出できるようになった。これらのことから、視床下部腹内側核活動と筋交感神経活動を同時記録して両者の関係を調べることが可能となった。 本研究の最終目標である自発歩行時の糖代謝予測制御機序を検討するためには、本研究で新たに開発した方法が不可欠であるが、自発運動開始の予測は不可能であるので、血糖値連続測定装置がこの他にも必要不可欠である。しかしながらそのようなシステムはまだ、赤外線を利用する方法等の新しい測定原理に基づき、世界各地で精力的に開発が進められている段階にある。従って、近い将来にこの問題点が克服されれば、自発歩行運動時の糖代謝予測制御機序の解明が本格的に可能になるものと考えられる。
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