これまでは、大容量画像を圧縮・伸張するために用いられる統計的直交変換の変換核を画像としてとらえ、部分的連続画像に対して局時的な(少しづつ時間をずらす)因子分析を使って解析することにより各臓器の動きを求めることに成功した。同様なアイデアで、局所的な(少しづつ場所をずらす)解析法を研究中である。 画像の各関心領域(Region of Interest:ROI)の計算をソフトウェアで、逐次的に行なっているが、ROI内外の演算をハードウェアで、しかも並列的に行なえる超高速専用処理ボード(EZEL SHARP社が開発した生体の視覚情報処理系を模倣した画像処理チップを使用)、及び開発用ライブラリ・ソフトウェアを導入して、プログラムの高速性を改善を試みた。 各関心領域からの距離に応じた重みをどう取り入れるか、Radon変換における畳み込み積分の各種フィルター関数(ベクトル的なもの)に相当する、Pompeiuの問題上の(テンソル的な)フィルター演算子関数を数式処理と数値解析により求めている。臓器レベルの画像データ(呼吸器系、循環器系)を対象として解析している。 2次元画像(平面像)に限らず、3次元画像(立体像)にも適応できる見通しである。 インターネットにより、この問題の数学的本質と理工学での応用例について、多数の情報を入手できた。同時にインターネット(特にプロキシ-・サーバー)による動態機能解析ができるのではないか、の着想に至り、各種学会にて提案している。
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