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1995 年度 実績報告書

DNA鑑定を用いた出土埋没樹幹の樹種同定によるメタセコイアの古生態に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07831014
研究機関奈良国立文化財研究所

研究代表者

光谷 拓実  奈良国立文化財研究所, 埋蔵文化財センター・研究指導部, 室長(研究員) (90099961)

キーワードメタセコイア / DNA / 玄武岩(松浦) / 耶馬渓大砕流 / 500万年の化石木(樹幹) / 気温低下 / 地殻変動 / 絶滅
研究概要

佐賀県松浦郡鎮西町字早田の採石場の松浦玄武岩にとり込まれた状態でメタセコイア属の埋没樹幹が発見された。遺存状態が非常に良好であったので、本研究で目的としたDNA鑑定を試みた。この埋没樹幹の一部を採取し、静岡大学理学部地球科学科に送り、DNAの抽出をおこなった。現時点では、セルロースの抽出が困難であることから、DNAの抽出には成功していない。今後、セルロースの抽出方法を改良していくことが大きな課題として残った。なお、この試料からは、173年分の年輪データを収集した。
大分県日田市鈴連町の小野川の河床から見つかったメタセコイア属は、約80万年前の耶馬渓沢流(火砕流)によって埋没したものと思われる。花粉分析法によると、日本列島からメタセコイア属が絶滅したのは約80万年〜100万年前と推定されており、この河床から見つかった樹幹は、絶滅寸前のものであった可能性が高い。日本列島からメタセコイア属が姿を消した原因は、気温低下と見なされているが、上記の2事例からもわかるとおり、当時、日本各地でくり返された各種の地殻変動が最大の原因として考えられる。なお、この試料からも274年分の年輪データを収集した。当時の自然環境を探るうえで貴重なデータとなり得る。

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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