研究課題/領域番号 |
07832009
|
研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
藤枝 修子 お茶の水女子大学, 理学部・化学科, 教授 (70017200)
|
研究分担者 |
柴田 文明 お茶の水女子大学, 理学部・物理学科, 教授 (20011702)
|
キーワード | 微小重力 / 化学振動反応 / ベロ-ゾフ-ザボチンスキー反応 / 溶液化学 / 化学液 / 非線形化学 / 複雑系科学 / データ処理 |
研究概要 |
非線形化学振動反応として、ベロ-ゾフ-ザボチンスキー反応を用いた。反応溶液は硫酸酸性の臭素酸塩、マロン酸、触媒で構成し、1次元系と2次元系の反応容器を使用した。化学振動反応の進行とともに、誘導期間を経過したのち、化学波を生成する。触媒にフェロイン(赤色)/フェリイン(青色)系を用いて、化学波の移動過程が可視化情報として得られるようにして、CCDカメラを経由して収録した。 微小重力実験は、北海道空知郡上砂川町の地下無重力実験センターで行った。落下カプセルのインテグレーションの間に、反応溶液を調製し、誘導期間を待って、各反応容器に溶液を送ることができる自動システムを作製した。各操作を自動的に進めるために必要な時間は構成物質の各濃度や温度、攪拌速度などに依存するので、これらは地上実験で検討して、最適時間と条件を選んだ。反応容器は重力の影響が大きく出現するように、垂直に固定した。また、硫酸溶液を使用し、反応生成物として二酸化炭素を放出するが、これらの化学物質は完全に閉じた系内で扱い、不慮の溶液の流出にそなえて、強力な吸水材を配置した。さらに、作製した実験ラック内の温度が化学反応の進行速度に大きく影響するので、ラック内で溶液系の直接関係する6点で温度変化を実測した。 8mmビデオに収録した画像データはNIHimageプログラムと2次元画像処理プログラムを利用して、落下前と落下中の化学波の移動速度を解析し、両者の違いを求めた。トリガー波は微小重力場において、移動速度がかなり減少し、予測通りの結果が得られた。
|