研究代表者が海外研究派遣者として平成5年度に米国プリンストン大学プラズマ研究所(PPPL)滞在中に研究はスタートした。光ソリトンを表現する新しいモデルとして、研究代表者等が考案した「非線形ローレンツ計算モデル(NLCM)」の応用面の可能性について研究を行い、また拡張を行った。 1 従来の光通信の自然な発展として、グラスファイバー光屈折率の分散効果が正常である場合にソリトンとなるNRZの光パルスに近いダ-クソリトンの基礎的なシミュレーションを行った。その結果を1996年電子情報学会エレクトロニクスソサイエティ大会で題名「極超短ダ-クソリトンのNLCM法による計算機シミュレーション」(C-195)で学会講演を行った。 2 1.5μの波長を用いるダ-クソリトンによる大容量通信の通信の限界がおよそ10Tbit/sであることを、NLCM法による計算機シミュレーションで推定し、′Potential capability of the dark soliton communication system′というタイトルでOptics Lettersに投稿した。 3 シミュレーションのモデルを擬二次元に拡張した。すなわち2つの一次元モデルを同時に動かし、2つの一次元の系の境界条件を連立させることによって擬二次元モデルを実現した。このモデルによるシミュレーション・コードを実際作製した。 4 擬二次元モデルを用いてY分岐光回路をモデル化し、光スイッチング回路のシミュレーションを行った。π/2移相器を組み合せによって、光スイッチングの動作のシミュレーションを行った。 5 従来、静止していると仮定しているイオンを動かすことによってこの効果を半古典的に誘導ラマン散乱をモデリングを試行錯誤した。モデルとしては最も単純なモデルを採用しているがストークス散乱液を観測した。
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