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1996 年度 実績報告書

活性を内在した要素系の自己組織化現象の研究

研究課題

研究課題/領域番号 07832022
研究機関福岡大学

研究代表者

宮川 賢治  福岡大学, 理学部, 教授 (30037296)

キーワード非線型・非平衡 / 化学振動子 / 要素系 / 超分子
研究概要

サブミリメートルの粒径をもつ陽イオン交換樹脂粒子にフェロイン触媒を吸着させ,粒子表面上にベル-ゾフ・ジャボチンスキー反応を局在させることにより,活性を内在した要素系としての科学振動子系を実現した。この系の振動反応には多くのイオンが介在しており、電場によって種々の自己組織化現象が誘起された。電場の周波数に対する化学振動子の固有振動数の比と電場強度の関数として振動状態に関する相図を得た。その特徴は次のようである;(1)1:n又はn:1の引き込み状態が広領域を占め且つ安定である,(2)低電場領域では,これらの安定領域の境界領域でファーレ-の樹状構造にしたがった高次の引き込みや準周期振動が現われる,(3)高電場領域では,境界領域は狭くなる,(4)1:1と1:2(又は2:1)の間の転移は,必ずカオス状態を経て起きる。
更に,生体超分子に近い分子構造を持った能動的な要素系の創製を目指して。界面活性剤AOT/イソオクタン/水からなるマイクロエマルジョンを基礎にしたアクリルアミドの微小ゲルを構築した。活性の組み込み条件を明確にする為に,その熱的な性質を明らかにした。この系は,温度の上昇に伴ってパーコレーション(PC)転移を示し,更なる温度上昇によって相分離を示した。PC転移に伴う電気伝導度の異常増大は指数則で解析され,転移前後で,それぞれ動的,静的パーコレーションモデルが成り立つことを明らかにした。PC状態から急激な温度ジャンプによって相分離過程を誘起し,その動力学を時間分解光散乱を用いて明らかにした。この過程はスピノ-ダル分解(SD)に依るものではないが,SDを思わせる散乱光パターンが観測された。事実,空間次元としてフラクタル次元d=1.8を取るならば,通常のSDで見い出されたスケーリング則が成り立つことが分かった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Kozue Kaibara: "Biological Self-Assembly Model of Elatomeric Protein : Characteristic of Critical Processes in Coacervation of Elastin Peptide" Peptide Chemistry. 1995. 345-348 (1996)

  • [文献書誌] Kenji Miyakawa: "Syncronization and chaos in the discrete chemical oscillation system" 物性研究. 66・3. 376-377 (1996)

  • [文献書誌] Kenji Miyakawa: "Irregular behaviors of two chemical oscillators with a diffusion coupling" Phys.Rev.E. (発表予定). (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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