研究課題/領域番号 |
07835003
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
谷川 恭雄 名古屋大学, 工学部, 教授 (70023182)
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研究分担者 |
長谷川 哲也 名古屋大学, 日本診断設計, 研究員
黒川 善幸 名古屋大学, 工学部, 助手 (50242839)
森 博嗣 名古屋大学, 工学部, 助教授 (80157867)
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キーワード | サーモグラフィー / 表面温度 / 有限要素法 / 剥離検知性能 / ソルエア気温 / 電磁波レーダ法 / ハギア・ソフィア大聖堂 / 反射波 |
研究概要 |
平成7年度は,RC構造物の外壁仕上げ材の剥離調査のためのサーモグラフィー法および内部探査のための電磁波レーダ法に関して、以下のような研究を実施した。 1)剥離調査のためのサーモグラフィー法の適用限界に関する実験および解析 面積、深さおよび厚みが既知の人工空隙を有するコンクリート試験体を、温湿度の自動制御が可能な2つのコンクリート養生室の境界壁に設置して一連の実験を行った。室内に相当する側の温湿度は一定とし、室外側のソルエア気温を変化させることによって、日射条件を考慮した。日射による受熱量をソルエア気温の変化に換算して実験を行う手法は、本研究の独創的な点の一つである。過去10年間の冬至、春分の日、夏至および秋分の日の好天日における最高・最低気温、日の出・日の入り時刻、相対湿度、風速および全天日射量最大値の平均値から、ソルエア気温を単余弦関数として求め、各方向に直交する面に内在する人工空隙の検知限界と計測精度について検討した。また、風速・風力を変化させた場合の実験も行った。また、3次元有限要素法解析プログラムを用いて、上記の実験結果の検証を行うとともに、各種環境条件下におけるサーモグラフィー法の適用限界および最適計測条件を明らかにした。 2)内部探査の電磁波レーダ法に関する研究 3)構造体中の内部欠陥や鉄筋位置を探査するためのモデル実験を行うとともに、ハギア・ソフィア大聖堂(トルコ・イスタンブル)の劣化度調査に本手法を適用した。その結果、本手法は構造体内部の欠陥や鉄筋の探査に有効に利用できることを明らかにするとともに、ハギア・ソフィア大聖堂の2階ギャラリー部において過去に報告されていなかった数本の補強材を新たに発見した。
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