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1995 年度 実績報告書

底生生物による環境改変の定量化

研究課題

研究課題/領域番号 07836001
研究種目

一般研究(C)

研究機関北海道大学

研究代表者

向井 宏  北海道大学, 理学部, 教授 (00013590)

キーワードベントス / 摂食速度 / 懸濁物食者 / 堆積物食者 / 生物撹乱 / タケフシゴカイ / 排出速度 / 再堆積
研究概要

本年度は、ベントスの摂食量・排出量をできるかぎり精確に測定することを目標とした。堆積物食者のうち、管棲多毛類のタケフシゴカイの一種Maldane sp.を用いて、拡大型ヴィデオカメラによる排出行動と排出物の長時間観察のための装置を完成させ、現在までのところ合計7個体、延50時間に及ぶ観察を行い、排出速度を推定した。堆積物食者の摂食量と排出量(体積)は多くの場合ほとんど同じと見なされるので、この研究の結果、本種の体重と摂食量に正の相関が見られることが明らかになった。平均体重の一個体当たりの排出量は360mm3/日であり、1m2あたり100個体の本種が生息すると仮定すると、0.036mm/日の下層堆積物が本種によって撹乱され、海底表面に再堆積されると推定できた。今後、できるだけ多くの多様な摂食様式を持つ種類について同様な研究を行なう予定である。
懸濁物食者の摂食量についても、同じように視覚的データから推定する試みのために、ミクロハイスコープのシステムを構築した。懸濁物食者の摂食は水中の餌粒子濃度だけでなく、表面を流れる海水の流速にも影響されるはずであるので、観察に際しては一定の流速を与える必要がある。そのため流速を固定および変更可能な観察用水槽を設計し、試作した。これは、拡大型ヴィデオカメラが防水型ではないために、かなり困難な事であったが、なんとか短時間(1日程度)の連続使用が可能なシステムを作り上げた。観察は10時間ほど行ったが、まだ試行の段階であり、摂食速度の精確な推定までには至っていない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Iizumi,H.: "Distribution and variability of nutrients,chlorophy a,particulate organic matters,and their carbon and nitrogen contents,in Akkeshi-Ko,an estuary in northern Japan." Bull.Hokkaido Nat.Fish.Res.Inst.59. 43-67 (1995)

  • [文献書誌] Mukai,H.: "Grazing effects of a Gamnaridean Amphipoda,Ampithoe sp.,on the seagrass,Syringodium isoetifolium,and Epiphytes in a tropical seagrass bed in Fiji." Ecological Res.10. 243-257 (1995)

  • [文献書誌] 竹門康弘: "棲み場所の生態学" 平凡社, 279 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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