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1996 年度 実績報告書

イシサンゴの種特異性および自己特異性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07836011
研究機関琉球大学

研究代表者

日高 道雄  琉球大学, 理学部, 教授 (00128498)

キーワードイシサンゴ / 組織適合性 / 種特異性 / 群体 / 自他認識
研究概要

ハナヤサイサンゴの幼群体同士を接触させると、多くの場合、組織、骨格とも癒合するものの、組織、骨格とも異常な形態を示す非適合癒合反応を示すことを昨年報告した。非適合癒合を示すペアでは、いったん癒合した組織が局所的な細胞死を起こして分離すると考えられ、最終的には、間に骨格の壁をつくって非癒合になり安定すると思われる。
非適合癒合がハナヤイサンゴの成群体間でも生じるのかを調べるため、成群体より採取した枝を10-38日間接触させ、その反応を調べた。その結果、同群体由来の2組合わせ2ペア、異群体由来の3組合わせ9ペアで癒合が観察されたが、残りの異群体由来の13組合わせ36ペアは非癒合を示した。ハナヤイサンゴの成群体間では、非適合癒合は観察されず、非適合癒合反応は幼群体に特有の反応であることが分かった。幼群体では、まだ組織非適合システムが十分発達していないため、一時的に癒合が起こってしまうと考えられる。
非癒合を示すペアの組織は、バリアーとして機能すると思われる物質で隔てられていた。しかし、両組織は成長先端部では接触しており、接触面の皮層組織に細胞外空間または大きな液胞が生じていた。このことは、非癒合のペアでも、何らかの組織非適合反応が生じていること、そしてこの反応が覆いかぶせ反応における優劣の序列を決めている可能性を示唆する。
隔膜糸攻撃は異種間でのみ見られることから、サンゴは種特異抗原のようなマーカーを用いて同種異種を認識していると考えられる。今回隔膜糸攻撃の有無を様々な属のサンゴ間で調べた。その結果、隔膜糸攻撃の有無が2種のサンゴの系統上の類緑度と関係していることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Hidaka.M.,K.Yurugi,S.Sunagawa,R.A.KinzieIII: "Contact reactions between young colonies of the coral pocillopora damicornis." Coral Reefs. 16(印刷中). (1997)

  • [文献書誌] 日高 道雄: "サンゴ1-実験動物としてのサンゴ" 遺伝. 50巻6号. 61-64 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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