研究概要 |
研究代表者らは、歯根膜微小血管の新生過程において、咀嚼運動と関連した微小血管の規則的な走行を誘導する内皮細胞増殖因子の出現を明らかにするために、以下の検討を行った。 1.咀嚼運動を想定した機械的な正弦波刺激を微小血管に加えることができるよう、ハムスター頬袋を用いた既存実験手法に改良を加えた。 2.血管内皮細胞増殖因子の局在を生体顕微鏡下で捉えるために、ハムスターに血管増殖因子の抗体を投与し、生体内において経時的に血管増殖因子の出現を観察する手法を確立した。 1の改良実験系をもちいて、内皮細胞増殖因子に対する細静脈血管の反応性の差異を白血球動態の変化という観点から検討し、Biological Mechanisms of Tooth Movement and Craniofacial Adaption,An International Conference(Danvers,U.S.A.)および、第73回IADR総会(Singapore)にて発表した。また、間欠的刺激の強さおよび時間による血管の反応性の差異を検討し、第71回Europian Orthodontic Society(Bergen,Norway)にて発表した。 現在は、2の手法を用いて、刺激を与えた後どの程度の時間で如何なる因子が出現するのかについて検討を進めている段階にある。 計算力学的解析としては、歯を含めた歯周組織の有限要素モデルを作製し、現在は、微小血管周囲および血管の有限要素モデルを作製するとともに各組織の性状データの設定を進めている。
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