研究課題/領域番号 |
07838018
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
井上 富雄 大阪大学, 歯学部, 講師 (70184760)
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研究分担者 |
脇坂 聡 大阪大学, 歯学部, 助教授 (40158598)
松尾 龍二 大阪大学, 歯学部, 助教授 (30157268)
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キーワード | 三叉神経運動核 / 運動ニューロン / in vitro / ラット / 細胞内記録 / ノルアドレナリン |
研究概要 |
【研究目的・方法】 脊髄や脳幹部の運動ニューロンには豊富なノルアドレナリン入力があり、ノルアドレナリン入力は運動ニューロンの興奮性を調節する役割があるのではないかと考えられている。そこで平成7年度は、三叉神経premotor neuronがシナプス結合をする三叉神経運動ニューロンに対するノルアドレナリン入力の役割を調べる目的で、ラットの脳幹部のスライス標本を用いて三叉神経運動ニューロンから細胞内記録を行い、ノルアドレナリンの還流投与による影響を調べた。 実験には生後3〜5週齢のラットを用いてマイクロスライサ-を用いて厚さ450μmの脳幹部の切片を作成した。ガスインターフェースタイプの記録用チャンバーにスライス標本を設置し、実体顕微鏡観察下にて三叉神経運動核内にマイクロマニピュレーターを用いてガラス管微小電極を刺入し、三叉神経運動ニューロンから細胞内記録を行った。なお上記実体顕微鏡(Wild・M8)およびマイクロマニピュレーター(Newport・MX310R)を補助金により新たに購入した。 【研究成果】 ノルアドレナリン還流投与により、三叉神経運動ニューロンにおいて投与前に比べて以下の変化が認められた。 1.記録されたほとんどのニューロンにおいて静止膜電位が上昇した。 2.過分極パルス通電による膜電位変化の大きさが増大し、入力抵抗の増大が認められた。 3.過分極パルス通電のtime dependent inward rectificationが増強された。 4.脱分極パルスによるスパイク発射頻度が上昇し、ニューロンの興奮性の上昇が認められた。 以上の結果からノルアドレナリンは三叉神経運動ニューロンの興奮性を上昇させることが示唆された。今後は三叉神経運動ニューロンにおける三叉神経premotor neuronからの入力がノルアドレナリンによっていかに調節されるかも検討していく予定である。
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