研究課題/領域番号 |
07838024
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中田 稔 九州大学, 歯学部, 教授 (40014013)
|
研究分担者 |
藤瀬 多佳子 九州大学, 歯学部, 助手 (50284518)
早崎 治明 九州大学, 歯学部, 助手 (60238095)
野中 和明 九州大学, 歯学部, 助教授 (90128067)
|
キーワード | 咀嚼 / 脳内神経伝達物質 / 行動観察 |
研究概要 |
歯科医学の究極的目的は、咀嚼器官の健全な発育と維持にあるといえる。口腔保健の重要性を考えるにあたり、噛むことの生理的意義について従来より伝承されてきた全身機能との関わりに関して、新しい解釈と科学的基盤が求められていると考えている。我々は、摂食行動調節における口腔内感覚の重要性について、脳内神経伝達物質という観点から解明を試みてきた。さらに、咀嚼時の感覚入力の変化が、全身の諸機能へ及ぼす影響について研究を重ねている。正常なWKA雄性ラットに、通常のペレット型固形飼料を与えた場合の、摂食や飲水行動およびケージ内運動を、サーカディアンリズム測定装置内で、長期にわたって観察し、自動記録した。また、摂食行動時に口腔内から生じる感覚入力がペレット型固形飼料とは異なると考えられる液体飼料を与え、同様な行動観察記録を行い、摂食行動パターンの違いについて比較検討を行なった。さらに、摂食行動調節および睡眠・覚醒に関与していると考えられている神経伝達物質である神経性ヒスタミンの合成阻害剤を腹腔内投与した場合に、ペレット型固形飼料及び液体飼料に対して、摂食行動およびサ-かディアンリズムにどのような変化が起こるかを、同様に観察した。咀嚼と学習・記憶能の関連について明らかにするために、記憶・学習能の中でも空間作動記憶を必要とするとされている放射状迷路課題が遂行可能な8方向放射型迷路の観察システムおよび解析装置をセットアップした。本研究では、ヒスタミン神経系が学習獲得過程に果たす機能的役割を追求するために、放射性迷路課題の学習能に対する神経性ヒスタミンの枯渇の影響を、ラットにおいて検討している。
|