研究課題/領域番号 |
07838040
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
中島 一郎 日本大学, 歯学部, 講師 (90198078)
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研究分担者 |
菊池 元宏 日本大学, 歯学部, 助手 (40277455)
赤坂 守人 日本大学, 歯学部, 教授 (30059505)
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キーワード | Contingent Negative Variation / Human / Jaw Opening / Supplementary Motor Area / Primary Motor Area / Prefrontal Cortex |
研究概要 |
開口動作におけるCNVの後期成分の特徴を知る目的で、開口動作で行なわせた際のCNVの後期成分の分布について選択反応時間課題と単純反応時間課題とで比較検討した。被験者は健康成人6名とした。CNVの誘発のために、CNV刺激装置を用い、最初の信号として100msecの持続時間のクリック音(SI)を発信し、4秒後に2番目の信号として500msecの持続時間をもって2種類の画像(S2またはS2')をコンピュータモニターに提示した。S2とS2'の提示はともに50%の確立とし、アトランダムに行なった。単純反応時間課題の規定動作としてS2とS2'の区別なく開口動作を指示した(A課題)。さらに選択反応時間課題の規定動作として、S2に対してのみ素早く開口動作を行なわせ、S2'に対しては同動作を行なわせないように指示した(B課題)。脳波はAg/AgCl電極を用い、10/20国際電極法に従って頭皮上の5ヶ所、正中前頭部(Fz)、正中中心部(Cz)、正中頭頂部(Pz)および左右側頭部(T3とT4)などから両側耳朶連結電極を基準電極とし単極誘導にてDCで記録した。CNVは、S1の発信1秒前からS2の発信1秒後までの6秒間の区間で脳波を20試行分加算平均することにより得た。その際筋電図や眼球運動などのアーチファクトの混入したデータは除いた。CNVの後期成分の振幅においてB課題はA課題よりもFzで有意に高く、T3およびT4において有意に低かった。CZでは両課題間に有意な差は認められなかった。前頭部におけるCNVは前頭連合野由来であり、最初の刺激に続く2番目の刺激が開口動作を指示しているか、いないかを認識する精神活動過程を反映したものと思われる。側頭部におけるCNVの振幅の減少は、運動準備が不完全であることを反映したものと思われる。B課題とA課題とでCzにおけるCNVの振幅に差は認められなかったことは神経機構上、補足運動野の活動が下顎運動に重要であることを示唆していた。
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