研究課題/領域番号 |
07838048
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 時限 |
研究分野 |
咀嚼
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研究機関 | (財)東京都神経科学総合研究所 |
研究代表者 |
寺島 俊雄 (財)東京都神経科学総合研究所, 解剖発生学研究部門, 副参事研究員 (20101892)
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研究分担者 |
岸本 泰子 (財)東京都神経科学総合研究所, 解剖発生学研究部門, 主事研究員
池田 やよい (財)東京都神経科学総合研究所, 解剖発生学研究部門, 研究員
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | リーラーマウス / 三叉神経運動核 / 三叉神経中脳路核 / リーリン / 鰓弓 / 顔面神経核 |
研究概要 |
リーラー奇形マウス(以下リーラーreeler,rl/rl)では、咀嚼筋を支配する三叉神経運動核ニューロンや咀嚼筋の深部知覚を支配する三叉神経中脳路核ニューロンの移動が障害され、これらのニューロンが異所性に存在する。そこで胎児期および生後幼若期のリーラーおよび正常マウスの三叉神経運動核ニューロンおよび中脳路核ニューロンの移動に対するリーラー遺伝子座の作用を検討した。 生後各時期のリーラーおよび対照動物の顎二腹筋前腹および側頭筋にファーストブルーを注入し、12-48時間後、パラホルムアルデヒドにて潅流固定した。脳の完全連続凍結切片を作成し、蛍光顕微鏡にて、標識された三叉神経運動核および中脳路核ニューロンを蛍光観察し、写真撮影した。正常マウスおよびリーラーマウスともに、側頭筋注入例では三叉神経運動核に、顎二腹筋前腹注入例では副三叉神経核に標識ニューロンがあったが、リーラーマウスの標識ニューロンはより内方の異常な位置に存在した。また側頭筋注入例では、正常マウスおよびリーラーマウスともに三叉神経中脳路核ニューロンが標識されたが、正常マウスに比較してリーラーマウスの標識三叉神経中脳路核ニューロンはより広い領域に分布した。リーラーマウスの顔面神経核ニューロンも異所性に存在することより、鰓弓に由来する運動ニューロン(顔面神経核、三叉神経運動核)の細胞移動に、リーリン遺伝子産物が関与していることが明かとなった。そこで、もう一つの鰓弓由来運動ニューロンである疑核ニューロンに細胞移動障害があるかどうか、調べる必要がある。また三叉神経中脳路核ニューロンが異所性に存在することより、神経堤に由来して二次的に脳内に進入するニューロンもリーラー遺伝子により影響されることがわかった。
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