• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1996 年度 実績報告書

無細胞系による紫外線損傷DNAの修復・突然変異機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 07839005
研究機関京都大学

研究代表者

八木 孝司  京都大学, 医学研究科, 助教授 (80182301)

キーワードDNA修復 / 突然変異 / 紫外線 / 色素性乾皮症
研究概要

突然変異検出するために用いたプラスミドpMY189は突然変異の標的遺伝子としてSupFおよびSV40複製点とT遺伝子を持ち、ヒト細胞と大腸菌で複製でき、パーキンエルマ-社の自動シーケンサーでdyeprimer法で塩基配列が正確・容易に決定できる。
まずpMY189を用いてDNA修復の無細胞系を確立した。この系では、種々の正常ヒト細胞の抽出物によって紫外線照射したpMY189に特異的に[^<32>P]-dATPの取込みが見られ、DNA修復を機構を欠損するA群色素性乾皮症細胞の抽出物ではその取込みが見られなかった。相補性群の異なる色素性乾皮症細胞の抽出物の混合によってその取込みが見られ、細胞と同様のDNA修復の相補が見られた。チャイニーズハムスター細胞のDNA修復正常株、修復変異株でもヒト細胞と同様の結果が得られ、無細胞系でDNA修復が行われていることが確認できた。この系に大腸菌で作らせたp53蛋白を加えて影響を調べたが、DNA修復の増強・抑制は見られなかった。
無細胞複製系ではSV40T抗原と正常ヒト細胞抽出物を用いて、pMY189にDNA複製による[^<32>P]-dATPの取込みが見られた。この系にはS期にある細胞の抽出物を使うことが重要であることがわかった。この系に紫外線照射したpMY189を加え、ヒト細胞抽出物で複製後、lacZ遺伝子にアンバー-変異を持つ大腸菌を形質転換し、X-galとIPTGを含む培地でSupF遺伝子の変異を検出した。しかしながら出現したコロニー数が少なく、この系はもう少し改良が必要である。
細胞を用いた実験系ではp53遺伝子が誘導発現できる細胞系を作成し、p53蛋白は紫外線およびX線誘発突然変異を抑制することを見いだした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 八木孝司: "紫外線による突然変異と皮膚癌" 放射線生物研究. 31(4). 289-301 (1996)

  • [文献書誌] 陸〓君: "Sites and types of UV-induced mutations leading to inactivation of the growth-arresting activity in p21(sdi1/cip1/waf1)cDNA." Carcinogenesis. 17(11). 2343-2345 (1996)

  • [文献書誌] 八木孝司: "A low content of ERCC1 and a 120kDa protein is a frequent feature of group F Xeroderma pigmentosum fibroblast cells." Mutagenesis. 12(1). 41-44 (1997)

  • [文献書誌] 松村康洋: "Characterization of p53 gene mutation in basal-cell carcinomas:comparison between sun-exposed and less-exposed skin areas" International Journal of Cancer. 65. 778-780 (1996)

URL: 

公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi