PNO8による切断部位を明らかとするために、D1蛋白質の各部位の各部位に特異的に反応する抗体の作成を試みた。特に、Q_B-結合部位の各領域に特異性をもつ抗体の作成に重点をおいた。その結果、現在までの所、以下の領域に特異的に反応する、V58-E65、L326-E333、V58-P66、T227-E235、F239-N247、E333-A344、R225-E235の7種類の部位特異抗体を得ることに成功した。これらの抗体とPNO8処理により生じる切断断片との反応性、更に、小麦の系II膜断片をPNO8処理した場合、生じる切断断片がリジン残基特異的プロテアーゼ処理により受ける影響より、切断はLeu258近傍1箇所で起こり、その結果、23kDaN末端断片と9kDaC末端断片が生成すると結論した。2__-)様々のPNO8類縁化合物を合成し、構造/活性相関を調べた。フェノール環上の3つの水酸基がD1蛋白質分解に必須であること、またニトロ基の存在は活性を著しく増加させることなどが明らかとなった。3__-)PNO8によるD1蛋白質の特異的切断はi)低温では起こらない、ii)無酸素下でも起こる、iii)PNO8を加える前に試料を前照射することにより著しく促進される、iv)電子伝達の阻害活性とは異なるpH依存性をしめし、pKaは約6。3程度にある、等を明らかにした。
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