1995年は9月から年内にかけて以前行った大阪での調査の被験者の掘り起こしを行った。その後の状況や聞き取り調査のアポイントとりを行う。1996年1月から聞き取り調査を実施する。1月13日に大阪へ出向き実査にむけて協力してもらう大阪のアルコール治療専門クリニックにあいさつする。1月19・20日、1月26・27日、2月3・4日、23・24日、3月2・3日、8・9日まで計6回、延べ20名のアルコール依存症患者へ聞き取り調査を行う。インタビューはすべて録音され、その後テープおこしを行い記録された。 今年度は追跡調査を個別聞き取りという調査方法により行い、その記録の記述で時間が来てしまった。当初計画していた「飲酒類型仮説」の実証は記述記録をデータベース化して分析を行う予定である。当初計画での断酒会やAAなどの自助グループなどとの比較調査まで至らなかった。また対象群としての一般サンプルとの比較も今後の課題である。 聞き取り調査を終えた全般的な感想としては、当初掲げていた作業仮説「飲酒類型仮説」特に性格コンプレックスタイプとアルコール障害タイプが相乗的にアルコール依存症者に作用しているのではないかというものである。今後仮説の実証と比較調査を課題として残しているが、今回の科研費で研究データを収集できたことを感謝し、今後のアルコール治療の一助として役立てて行きたい。
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