本研究では、これからの現代社会の変容、とりわけ生涯学習体系推進の整備・充実にそくした学校にける文化活動のあり方について明らかにした。 その成果については大きく2つに分かれ、第1に、学校教育におけるクラブ活動論研究として、歴史的、文化的、社会的背景にそくしたクラブ活動の問題点を考察し、教育内容、教育組織、教育方法の立場から実践的な指導課題を明らかにした。この点は科研報告書『現代クラブ活動論研究(第1部)』として1996年3月に刊行した。 第2の研究は、特に高等学校の文化系クラブの顧問にたいする指導課題についての調査研究である。これは第1の研究仮説をふまえ、今日の高校生をめぐる生活実態のなかで、学校でのクラブ活動が高校生にとってその成長や社会性、文化的価値観の形成にいかなる寄与がなされうるのか。そしてこれからの生涯学習時代への対応として、学校でのクラブ活動がどうあるべきかについて調査をおこなった。これについては上記報告書の第2部として刊行予定である。 なお、これからの生涯学習を考えていく上で重要なボランティア・福祉に関する教育について、福祉社会到来への実践的課題を検討するために、福島県の高等学校におけるJRC活動(ボランティア・福祉活動)に関わるクラブ・委員会の実態調査を実施し、福島大学生涯学習教育センター紀要(1996.3)に執筆した。
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