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1995 年度 実績報告書

生体システムの力学的適応に関するバイオメカニクスとその工学的応用

研究課題

研究課題/領域番号 07855015
研究機関大阪大学

研究代表者

山本 憲隆  大阪大学, 基礎工学部, 講師 (40210546)

キーワードバイオメカニクス / 力学的適応制御 / 生体軟組織 / 膝蓋腱 / 家兎 / 繰り返し負荷 / 力学的性質 / 引張試験
研究概要

麻酔下で,成熟家兎の膝蓋骨に高分子繊維の糸を通し,これに動的負荷試験装置の油圧サーボアクチェ-タを接続し,膝蓋腱に一定の繰り返し負荷を作用させた.アクチュエータに取り付けたロードセルと変位計測器から,膝蓋腱に作用する荷重ならびに変位を計測し,これらの信号を制御装置に取り込み,クローズドループ制御方式によりアクチェ-タを安定に制御した.繰り返し負荷の最大荷重は100N,150N,200N,最小荷重は10N,繰り返し周波数は4Hz,繰り返し数は3000とした.この繰り返し負荷を1日に1回,2週間作用させた後,家兎を屠殺した.膝関節から膝蓋骨-膝蓋腱-脛骨複合体を取り出し,膝蓋骨と脛骨をアルミニウム製のカップの中にレジンで固定して,引張試験機に取り付けた.試験は37°Cの生理食塩水中で,引張速度20mm/minで行った.ひずみは膝蓋腱の表面に染料(ニグロシン)で描いたマーカー間の距離をVideo dimension analyzerで計測することにより求めた.
最大荷重100N,150Nの繰り返し負荷により,膝蓋腱の引張強度は減少し,断面積が増大する傾向が現れたが,有意差は認められなかった.また腱全体の強度(最大荷重)にも有意な変化は現れなかった.一方,最大荷重200Nの繰り返し負荷では,断面積は増大したが,引張強度が著しく減少したため,最大荷重は有意に減少した.通常の運動中に膝蓋腱に生体内で作用する張力のピーク値は約83Nであるので,本実験で設定した繰り返し負荷の最大荷重100N,150N,200Nは,ピーク張力のそれぞれ1.2,1.8,2.4倍に相当することになる.このことから,膝蓋腱は通常作用する負荷の約2倍以下の過負荷に対しては正常に適応できることが明らかになった.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 宮本昌俊,他: "生体内定量的繰り返し負荷が家兎膝蓋腱の力学的性質に及ぼす影響" 日本機械学会第4回バイオエンジニアリングシンポジウム講演論文集. 133-134 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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