研究概要 |
理論解析と実験により検討したことを要約すると次のようになる. 1,測定した磁場Bから解析的に求めた減衰係数と打撃試験から求めた減衰係数はほぼ一致した.ただし,実験で求めた減衰係数の誤差が大きいので,さらなる検討が必要と思われる. 2,磁場Bの分布を実際に測定することにより,解析モデルで仮定した1組の電流ループによる磁場のモデルが妥当であることを確認した. 3,実験では,不安定振動は必ず1次の固有振動数以上で発生し,ゆっくり成長するが,一度発生すると振動はおさまらなかった. 4,理論解析では,不安定振動が発生する回転数は1次の固有振動数以下でもあり得る結果となった. 5,理論解析により,不安定振動は,磁場Bの分布が非線形であることが原因で剛性項の非対角要素に正負の非対称項が存在するために発生することがわかった.磁場Bが一定値の場合はこの非対称項が存在しないため,不安定振動は発生しない. 6,電流の強さを強くすると,安定限界の回転数が低くなった.これは理論解析でも同様の結果となった. 7,理論解析では,1次の固有振動数以下で不安定振動が発生し得るので,今後さらに解析モデルを検討することが必要である。
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