スリットレーザ光の代わりにチャープ信号とM系列二値信号で変調された二次元光パターンを対象に投影し、その立体形状を精密に計測する三次元画像計測法を提案し、民生用液晶プロジェクタと画像入力装置、ワークステーションからなるプロトタイプ計測システムを試作し、実験のより動作を実証した。スリットレーザ光を用いる従来法と比較して、誤差の標準偏差を指標にして数倍程度の高精度化が確認できた。このテレビカメラから得られる輝度の時系列信号に対する周波数同定を中心とする信号処理を、フーリエ変換法と自己相関法とを試し、自己相関法の方が精度の面で良好であることを明らかにした。 さらに、この変調パターン光源を同時に複数投影して、オクルージョンを削減することに成功した。これは各種信号の混合信号をマッチドフォルタを用いて特定の信号のみを抽出する手法を、この光投影に基づく三次元画像計測に適用した。1割以上元信号が混入していれば、ほとんど位置計測精度を損なうことなく、三次元画像計測が行えることを確認した。これにより、計測時間を増すことなく、オクルージョンを削減できる新規な方法論を確立した。 また、この変調パターン投影法のバリエーションとして、当間隔格子パターンの光を平行に移動しつつ投影し、観測された輝度信号の周期を基準に三次元画像計測が行える原理を提案した。これは上記の同時投影を有限の複数個から無限個までに拡張したものであり、実験によりオクルージョン削減が極めて良好に行える可能性を示した。
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