• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1995 年度 実績報告書

イオン濃度調節に基づく細胞機能制御システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 07855091
研究機関東京工業大学

研究代表者

春山 哲也  東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (30251656)

キーワード電気化学 / リン酸 / グルタミン酸 / PHO / ホスファターゼ / ポリピロール
研究概要

溶液中の荷電物質を導電性高分子中に取り込み/放出することにより近傍濃度を可逆的・一時的に変化させることに基づく本方法は、細胞が本来有するホメオスタティックな制御メカニズムと共通する点があると言うことができる。本研究年度においては、本方法により酵母(Saccharomyces cerevisiae)のリン酸濃度依存性PHO遺伝子調節系を利用した酸性ホスファクターゼ発現制御と、神経興奮伝達物質であるグルタミン酸放出制御の二つの系について研究を行った。
酵母酸性ホスファクターゼ発現系では、導電性高分子への印加電位によってコントロールを行うリン酸濃度の化学定量を行い、同時に酸性ホスファクターゼの発現量を酵素タンパク質量、酵素活性、発現mRNA量のそれぞれから評価を行った。その結果、本方法により定量的な遺伝子発現の誘導が行えることが明らかとなった。
グルタミン酸の放出制御の系では、神経興奮入力のデバイスとして応用を目的とするため、放出プロセスの実時間による評価が必要となる。そのため、電気化学Quartz Cristal Microbarance(ECQCM)上に導電性高分子の重合を行い、重合過程、ドープ(取込)過程、脱ドープ(放出)過程のそれぞれのプロセスについて定量評価した。その結果、短い応答時間で15〜40μgの範囲に制御したグルタミン酸の放出が行えることが明らかとなった。
以上のことから、本研究で提示する導電性高分子を用いた方法が発酵系内の細胞代謝制御、および神経興奮の入力の方法論として有効なものとなり得ることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] T.Haruyama et al: "Modulation of the function of an Enzyme lmmobilized in a Caduetive pdymer by Electrochemytal" J. Electroaral. Chem. 347. 293-301 (1993)

  • [文献書誌] T.Haruyama et al: "Stimulation of Acid Phosphatase Irduction in Saccharomyos Cereviseae by Electrochemical Modulation of Effactor cancentration" Biotechnology and Bioengineering. 42. 836-842 (1993)

  • [文献書誌] M.Aizawa,T.Haruyam et al.: "Electrically Modulated Biologicul Functions of Molecular Interfaced Enzymes and living cells" Biosensors and Bioelectronics. 9. 601-610 (1994)

URL: 

公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi