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1998 年度 実績報告書

The Compllation of Integrated Long-term Economic Statistical Database of the Trans-Asian Region

研究課題

研究課題/領域番号 07CE1001
研究機関一橋大学

研究代表者

尾高 煌之助  一橋大学, 経済研究所, 教授 (90017658)

研究分担者 西村 可明  一橋大学, 経済研究所, 教授 (60017671)
平井 規之  一橋大学, 経済研究所, 教授 (80017665)
寺西 重郎  一橋大学, 経済研究所, 教授 (70017664)
清川 雪彦  一橋大学, 経済研究所, 教授 (60017663)
富沢 賢治  一橋大学, 経済研究所, 教授 (30017660)
キーワードGDP / 国民所得 / 経済統計 / マクロ経済史統計 / 比較経済発展 / 工業化 / アジア / 数量経済史
研究概要

A. ロシア
社会主義革命以降におけるソ連邦経済統計を解きほぐし、また1993年版SNA枠組みを参照しながら、ロシア全土のGDP系列を整備を手がけた結果、物量統計についてはその作業がほぼ終了しているが、残された課題には、価格データの確定とそれと関連して価額によるウェイト選定とがある。また旧ロシア帝国時代のマクロ経済統計を対象とした資料収集活動を開始した。
B. 極東ロシア・中央アジア
アジア地域ロシアの経済動態を示す原資料の発掘を心がけてきたが、ようやくその努力が報いられたとの感がある。すなわち在モスクワのロシア国立経済文書館(モスクワ)の協力のもとに、中央統計局作成の1920-30年代における極東アジア・中央アジアの統計原資料を閲覧し必要部分を複写することが出来た。これらの公開されたことがなかった資料により戦前期から現在に至る時系列統計を作成できる見込みが濃厚になってきた。C. 中国
解放後については、金融統計を除けばその第一次推計がすでに完成した。ただし、文化革命期の工業生産が過小推計気味であること等は次年度に改善を試みる所存である。一方、民国時代の中国については、巫宝山推計をベンチマークとしつつその後の延長を試みること、同時期の統計資料をあらたに発掘すること、既存の先行諸研究で利用された統計資料を組み直し新たな長期系列の作成が並行して進められている。このうち農業生産、地域別物価、人口・労働力等々にわたり新たな吟味を行い、注目すべき進展がみられた。D. 台湾
長期GDPシリーズは金融統計以外はほぼ完成したのを機会に、植民地時代の副業、工業雇用、貿易物価などの諸統計の改善をはかった。
E. コリア
戦前期マクロ統計を地域別に分割することにより、戦後韓国諸統計と接続させる作業を開始した。第二次大戦後の韓国のGDP統計を新SNA概念で統一するとともに、同大戦終了から朝鮮戦争終結までのマクロ経済統計を発掘・吟味する作業を継続している。他方、朝鮮人民共和国の長期マクロ経済動向情報を収集すべく、新規の努力を開始した。
F. フィリピン
戦後マクロ統計は、公表統計の入力作業を進め、他に不足資料の現地調査を実施し、成果を得た。戦前期に関しては、生産統計(とくに農業関連)の系列を作成中である。
G. インドネシア
独立後の工業統計をめぐり、工業部会の協力を得、資料的・方法的に着実な進歩がみられた。農業生産系列は、庭先価格による再吟味の準備を進めている。
H. ヴェトナム
第二次大戦後のGDPを、新SNA概念に従い遡及的に推計する作業を実施し、労働力についても推計を試みた。植民地期に関しては、貿易統計、為替レート、農業生産、鉱業生産、人口、物価・賃金等の資料を発掘し、推計作業も進展があった。
I. 南アジア
パキスタン並びにバングラデッシュの農業生産、GDP統計は、その全貌がおおよそ明らかになった。独立後インドのマクロ統計は、公表された政府統計の時系列的斉合性を吟味し、その結果に照らし多少の校訂と統計作成史的背景を明らかにすることで十分とした。第二次大戦前インドは、農業生産、就業状態、物価、教育統計等作業は多大の進展をみ、それぞれ新しい知見を得た。
J. 西アジア
トルコのGDP時系列は第一次推定がほぼ完成(1930年代以降)、エジプトについては戦前期の農業生産ならびに人口の長期系列を作成し、またクルディスタン地域の人口変動について検討を加えた。
K. 貿易
1913年以降5年おきにベンチマークを定め、汎アジア圏各地の輸出入の物量ならびに価格シリーズを商品別に作成中であり、上記の国別作業の対象としない地域(たとえばシンガポール、香港等)も包含している。
L. 商品生産
農業と工業を主たる対象に、商品別生産量・生産額、生産費用等の国際比較可能なデータベース作成の努力を継続している。本年度は、工業部会における資料の整備で格段の進捗をみた。
M. 人口・労働力
台湾とインドの歴史人口系列を作成中であり、関係学会で報告して注目をひくに足る中間成果をあげた。
N. 物価・賃金
購買力平価の長期動態を含む物価(広義)の比較国際統計作成の方針で地域部会相互の連繋にあたっている。
O. 金融
「アジアの金融制度と発展」を中心主題に、第二次大戦後アジア地域について精力的な作業を進めてきた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 岳 希明: "中国における地域間所得格差と所得移転" Economy,Society,Policy (ESP) (編集協力経済企画庁). No.311. 64-70 (1998)

  • [文献書誌] 劉 怡伶・斎藤 修 谷口忠義: "戦前台湾における有業人口の新推計" 経済研究. Vol.49 No.2. 145-153 (1998)

  • [文献書誌] 木村 光彦: "北朝鮮の労働者、1946年-50年" アジア研究. Vol.44 No.1. 41-73 (1997)

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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