研究概要 |
目的:中国東北部に巨大稠密な広帯域地震計アレイを展開する日中米の国際共同研究計画(NECESSArray計画:日本側代表は受入研究者)が進行中である.特別研究員の白玲さんは,この研究計画の中で以下の二つの重要な役割を担うことが期待されている:(1)日本側の研究者として観測網の構築・維持に関わること,(2)中国東北部の地殻・上部マントル構造解析.(1)に関しては,日本チームは機動観測点の3分の1にあたる40点ほどの設置・維持を期待されているので,観測点の選定からアレイの立ち上げに関わる.(2)に関しては,S波のスプリッティング解析から,大陸下の地震波異方性構造を明らかにし,地殻・マントルダイナミクスに制約を与える. 19年度の成果: (1)5月に研究を開始し,研究環境を整えるとともに,観測網構築準備として,地震計の性能テストをおこなった.また7月初旬にイタリアで開催される国際測地地球物理連合(IUGG)の大会に参加し,日中米の関係研究者との研究打ち合わせに参加した. (2)S波異方性解析:NECESSArrayのデータが出始めるのは2008年の秋以降である.データ解析手法の確立もめざし,既存のベトナムでの機動観測のデータを使ったS波異方性の解析を行った.解析結果を,国内(地震学会・日本地球惑星科学連合大会)外(アメリカ地球物理連合秋季大会)の学会で発表(または発表のため投稿)した.また成果を,国際誌(Phys.Earth Planet.Inter.)に投稿した.
|