スフィンゴシン結合タンパク質をヒト小腸上皮様細胞に分化させたCaco-2細胞から分離した。Caco-2細胞はDMEM培地で15-17日間培養して分化させた。分化したCaco-2細胞を40μmのスフィンゴシンで2時間処理した。ついで細胞を溶解し、DEAE-celluloseカラムによる分離に供した。分離した画分を集め、脂質を抽出した。脂質はスフィンゴシンのピークを検出するためにHPLC分析に供した。スフィンゴシンを検出した分画のタンパク質を3-kDa限外ろ過フィルターで処理した。得られたタンパク質は10%SDS-PAGEに供した。得られた単一バンドについて、現在アミノ酸シーケンスを行っている。。さらに、ナマコから調製したスフィンゴイド塩基のヒト肝臓由来HepG2細胞に対するアポトーシス誘導活性を検討した。スフィンゴイド塩基の作用としてDNA断片化が認められた。また、アポトーシス誘導に重要な役割を担うBax protein、GADD45、PPAR-γ、DR5が顕著にアプレギュレートされた。一方、phospho-AKT proteinは減少した。これらの結果は、スフィンゴイド塩基がHepG2細胞にアポトーシスを誘導したことを示す。
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