研究概要 |
胆汁酸応答性核内受容体のリガンド依存性転写活性化に伴う構造変化解析を、蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)を用いて行った。 1)2分子FRET実験系の構築の為、AmCyan,ZsYellow,ECFP,EYFPの4種類の蛍光たんぱく質を用いてFRETペアの検討を行い、AmCyan/EYFPの新たな2分子FRETペアを見出した。 2)AmCyan-VDRとEYFP-RXRをHEK293細胞に共発現させ、3種類のビタミンDアナログ(1,25-(OH)2D3,LCA,ADTT)によるヘテロダイマー形成能を比較検討した結果、合成ビタミンDアナログであるADTTは、添加30分においてVDR/RXRのヘテロダイマー形成を引き起こさないことがわかった。 3)リガンド非存在下で、AmCyan-VDRはコリプレッサーであるEYFP-SMRTと強く結合し、リガンド添加でこれらのVDR/SMRTの結合は素早く解離される結果が得られた。SMRTのVDRからの解離において、ビタミンDアナログの構造的な違いによる違いは見られなかった。 4)リガンド非存在下で、AmCyan-VDRはコアクチベータであるEYFP-SRC1と弱く結合し、1,25-(OH)2D3,合成ビタミンDアナログADTTによってこれらVDR/SRC1の結合は増加されたが次2次胆汁酸であるLCAによるVDR/SRC1の相互作用は処理30分においてその増加がほとんど見られなかった。
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